パソコンの選び方とヒント 2018

よくある疑問・質問

デスクトップとノート(ラップトップ) どっちがいい?

デスクトップが設置可能(移動させず、設置場所もある)ならデスクトップがおすすめです。

日本メーカーから販売されてるデスクトップ型は画面と一体になっているタイプが一般的ですが、これはデスクトップではなくラップトップに分類してください。 基本的に中身はラップトップとほぼ同じものになっています。

液晶一体型パソコンのラップトップパソコンに対するメリットは以下の通りです。

ラップトップが望ましいもののこれらのメリットが必要な場合は一体型を選択してください。 ただしこの場合移動はしないものとします。

また設置形態が変わるため画面の位置とキーボードに位置を切り離すことができ、画面を台に、キーボードをトレーにおくような形態も可能になります。 場合によってはラップトップよりも省スペースです。

移動させる場合は移動の程度に応じてラップトップの種類を選択します。 移動の程度が室内で、電源の持続時間も必要ないのであれば、重く安価なもの、画面の大きなもの、電力をたくさん使って高性能なものが選択可能になります。

理想的には自宅用のデスクトップと持ち歩き用のラップトップで役割を分担することですが、それによって予算を分割することになるのであれば必ずしも最善の選択とは言えません。

中古はダメ?

私は中古やジャンクを好んで使いますが、これは知識があって、選択も使い方も工夫する前提です。

最低価格の話をすると中古やジャンクが選択肢に入ってきます。 例えば2万円で中古でラップトップが買えるとして、さすがに2万円では新品は買えないため、このような場合は中古にせざるをえせまん。

しかし3万円台で新品が買えますし、ほぼ間違いなく2万円の中古よりは良いものが買えます。 パソコン関係の中古の値付けは割と渋いので、「大きなリスクを抱えてちょっとをケチる」というのが基本的な感覚になってしまいます。

特にラップトップの場合中古はバッテリーが使い物にならない可能性が高いため、よりリスキーです。

なので、中古というのは基本的にマニアの遊びのようなもので、初心者や一般ユーザーにお勧めすることは決してできません。

予算はどれくらい必要?

動けばいいなら3万円台からあるのですが、パソコンは妥協すべきでないところで妥協すると不快さが大変高くなってしまうので余裕をもって設定するのがお勧めです。

ラップトップの場合10万円予算なら選択肢はそれなりに豊富というところです。 15万円あるとThinkPad X1 Carbon, XPS13, Spectre13といったトップモデルも選択肢に入るため望ましい予算と言えるでしょう。

国産メーカーの上級モデルがお望みなら20万円から40万円程度必要です。 40万円はラップトップではほぼ上限に近い価格になります。

デスクトップの場合20万円程度まで1万円ごとに性能が向上するような構成が可能です。 ただし同一構成でもメーカーによって5万円程度の差があります。

ゲームをしないのであれば17万円から19万円程度のモデルが最上と言えます。一般的な使い方であれば7万円から10万円程度の価格帯で良いものを探すことができます。

探せば上限としては400万円を越える程度まではあります。 高価なゲーム向けのものを含めて一般用のものは最高でも60万円台です。 ゲームをする方でも普通は20万円前後で満足なものが探せることでしょう。

見極め方

CPU

見方と考え方

AMDプロセッサにも非常に魅力はあるのですが、ラインナップが少なくマニアックなのでここはIntel前提でお話しします1

IntelCore iシリーズの場合

Core iX-YZZZ (例えば Core i7-8700)

という名前のつき方をしています。

Xのところには3, 5, 7, 9のいずれかが入ります。 Yの値が同じであれば、Xが大きいほうが常に高性能です。

Yには世代が入ります。Yの最低値は2で、第1世代は3桁のモデルナンバーでした。 2018年現在7と8が混在しており、圧倒的に第8世代が優れています。

ZZZにはそのプロセッサの位置づけが記されます。 数字が大きいほうが上位モデルということになり、基本的には高性能です。

モデルナンバーのあとにアルファベットがつくものもあります。 これは以下の意味を持ちます。

アルファベット 意味
K 必要なとき、より多くの電気を使ってスピードアップします
Q, H 通常のものより高性能です
X エクストリームシリーズと呼ばれる高性能モデルです
XE Xよりもさらに高性能なモデルです。i9-7980XEにのみつけられています
U スピードを抑える代わりに消費電力を少なくしてバッテリー駆動時間を伸ばしています

基本的にTDPという値が小さいほうが省電力ですが、高性能で余裕があるほうが、またコア数が多く通常時休止できるほうが結果的には省電力になる場合があります。

コア数はそのCPUに内蔵されている計算機の数です。 CPUの中に住んでいる小人さんの数と思えばよいでしょう。 多ければその分性能的には有利ですが、たくさん仕事がないと他の小人さんは暇しているだけなので、多ければ多いだけ良いということでもありません。

スレッド数がコア数より多いものについては、おまけのようなものなのであまり気にしなくてよいでしょう。 一般用途では若干有利になると見られていますが、本当に多数のコアが必要になるような用途では使わないほうが一般的です。

選択基準

以下はMimir Yokohamaが保有している利用統計に基づく見解です。

ラップトップの場合
シリーズ 使用感
Celeron アプリの起動が遅い。重いウェブサイトでももたつきを感じ、Google Chromeなどもかなり重い。重めの作業では明確な待ち時間を感じ、細かな待ち時間も多くストレスフル。工夫次第ではそれなりに使えるものの、ハードルは高い
Core i3 ほとんどのケースでそれほど困らないが、Officeの立ち上がりや操作に対して待ち時間を感じる。重いウェブサイトではもたつきを体感する。「困る」というわけではないが、性能向上によってより快適になるのは明らか。重い作業をする場合は待ち時間が多く、遅い。アプリの立ち上がり、複数のアプリでの並行作業もちょっと遅い。
Core i5 第8世代に関しては通常の利用で不足することはまずない。第7世代は重い処理をしたときや並列作業時にもたつきを感じる。第7世代でも普段の利用で不足になることは稀
Core i7 一般的な利用方法で使いきってしまうことはまずない。第8世代に関してはゲームや動画編集でも不足する状況のほうが少ない
デスクトップの場合
シリーズ 使用感
Celeron アプリの起動時をはじめ頻繁にもたつきを感じる。明らかに足りないと感じるほどではないが、それでもかなりストレスを感じる
Core i3 重いアプリの利用で若干処理不足を感じる。特にマルチスレッド設計のプログラムや並列作業で
Core i5 第8世代に関しては通常の利用で不足することはまずない。第7世代は重い処理をしたときや並列作業時にもたつきを感じる。第7世代でも普段の利用で不足になることは稀
Core i7 一般的な利用方法で使いきってしまうことはまずない。第8世代に関してはゲームや動画編集でも不足する状況のほうが少ない

メモリー

メモリーは一次記憶とも呼ばれ、作業中の内容を保持するものです。

考え事をするときに考えていることを覚えているための場所だと言えます。

規格や速度もありますが、ほぼ世代で決まりますから容量だけ考えれば良いでしょう。

メモリーは足りないと決定的に遅くなりますが、余っていてもあまり意味がありません。 足りるかどうかが問題です。

また、「軽作業」とみなしがちなウェブブラウジングですが、近年はかなりメモリーを必要とする傾向にあります。

使用感
1GB 専用の軽量システムでないと起動時点で不足する。活用にはかなりの知識が必要
2GB 起動後なにか作業を始めるとただちに使い切る程度。重い作業は難しい
4GB 起動後軽い作業なら支障なくできる。並列での作業や、ウェブブラウザで複数のタブを開くなどすると不足する可能性が高い
8GB 単一のデスクトップアプリを利用する限り不足することは稀。並列作業でもあまり不足しないが、節約することを怠って無秩序に開いていくと不足する
12GB 一般的なデスクトップ利用では不足することは稀。重い作業をしたり、オンメモリファイルシステムを利用する場合は不足する可能性がある
16GB 一般的なユーザーではまず不足しない。ビルドなど特別にメモリーを必要とする作業では不足する可能性がある
24GB 特殊な作業を行う場合を除き不足しない。むしろフル活用するにはテクニックが必要

ビデオカード

ビデオカードは画面を出力するのに必要な部品です。

ゲームなどをする場合には出力にあたって高度な演算が必要となり、高性能なビデオカードが必要となります。 また、写真や動画の編集を行う場合もビデオカードの力で補助することができるため、高性能なビデオカードがあれば高速化できます。

現在は多くの一般向けCPUがビデオカード機能を内蔵しており、単純な出力には十分な性能を持ちます。 特別な理由がなければビデオカードを追加で必要とすることはないでしょう。

ワークステーション用のCPUや、高性能CPUなどはビデオカードを内蔵しないものもあります。 一般的なメーカーではそのようなCPUでビデオカードを搭載しない選択が可能なのは、非常に高度なコンピュータだけです。

ビデオカードは消費電力が大きく、ラップトップの場合は追加のビデオカードを搭載するものはバッテリー消耗が著しく早くなります。

以下はNvidiaのデスクトップパソコン向けにおけるラインナップと使用感です。

ビデオカード 使用感
GTX1050Ti 多くのゲームは設定を欲張らなければ非常に快適に動作する。動画処理も非常に速い
GTX1060 1050Tiと比べ設定を煮詰めなくてもより快適に動作する
GTX1070 ほとんどのゲームで高画質設定が可能。動画処理も非常に高速で4k H.265エンコーディングもリアルタイムに可能
GTX1080 多くのゲームでは高画質設定を余裕でこなすが、最高画質設定は難しいケースもある
GTX1080Ti 多くのゲームで最高画質設定が可能。4k H.265 60FPSのリアルタイムエンコーディングが可能

なお、動画エンコーディングはNVENCというビデオカードの機能を使用した場合です。

Mimir Yokohamaオススメの構成

ここでは基本的に第八世代CPU(8000番台)を選択する前提とします。

また、ラップトップの選び方に関しては女子大生、パソコンを買うを参照してください。

また、ディスク容量に関しては独立した問題があるため、ここでは触れないものとします。

家でウェブやメール、事務作業など

項目 選択
CPU Core i3
メモリ 8GB
ビデオカード なし

軽い作業のみに限られ、並行して作業したりしない、ブラウザでタブを多く開いたりもしない、 などと事前に使い方が制約できるのであればメモリー4GBも可能ですが、あまり推奨はできません。

なお、事務作業がMicrosoft Officeを含み、かつ比較的大きなExcelシートなどを扱うのであれば、Core i5を選択するほうがストレスは少ないでしょう。

抑制的なモバイルラップトップ

項目 選択
機種タイプ ラップトップ
画面サイズ 13.3インチ、もしくは14インチ
CPU Core i5
メモリ 8GB
ビデオカード なし
重量 1.3kg以下

ラップトップに頼り切ることなく、パワフルな作業環境を外に持ち出したい場合のものです。

動画編集をラップトップでやりたい、などという場合はよりパワーが必要となるでしょう。 外出中に行う作業を切り分けて、非常に重い作業はデスクトップで行う、といったことが可能な場合にストレスなく外出時に作業できるようにするためのものです。

この上位は多くの場合Core i7と16GBメモリーの組み合わせであり、魅力的ですが価格差が大きいのが難点です。

プログラミング

項目 選択
CPU Core i5
メモリー 8GB
ビデオカード なし

ここで想定しているプログラミングは学習的なプログラミングであり、 規模の大きいプログラムを動かすのに適当かどうかということは考えていません。 そのような場合は実際のプログラムが必要とするリソースにあったコンピュータを選択してください。

実のところプログラミングに関して「書くこと、動かすこと」に限定するのなら、さらに低い性能のコンピュータでも可能です。

PCゲーム

項目 選択
CPU Core i7
メモリー 16GB
ビデオカード GeForce GTX1070

とりあえず欲張らなければ不満が出る可能性は低い十分な構成です。 これ以上を求めるのはPCゲームをやりこんで、なにを求めているのかが明確になっている人でしょう。

DTM (作曲、ボーカロイドなど)

項目 選択
CPU Core i7
メモリー 16GB
ビデオカード なし
ディスクタイプ SSD

性能はあればあるだけ有利な面もあります。 Core i9やXeon Wという選択もありますし、メモリーは32GBあっても良いでしょう。

ビデオカードもやや良いものが選べると少し快適性は上がります。 また、2枚以上のディスプレイが望ましいでしょう。

高額にはなりますが、プラグインでHDD速度では十分でないものが少なくないため、SSDの利用が求められます。

どう使うかわからない

項目 選択
機種タイプ デスクトップ
CPU Core i5
メモリー 8GB
ビデオカード なし

何かで必要になっているわけでもないのであれば、持ち歩くことは基本的にしないでしょうから、デスクトップのほうが有利です。

現状、とりあえずCore i5に8GBのメモリがあれば何をするにしてもなんとかなる、あるいはなんとかすることができる可能性が高く、 無難な構成です。


  1. Intelを信奉し、AMDに非常に批判的な方は結構いらっしゃるのですが、ここではそのような理由でそのように言っているわけではありません。実際、私は個人的にはAMDプロセッサは好きです。↩︎

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